日日是好日『天国と地獄』

北九州市若松区のエコタウン内にあるヒューマンブリッジ株式会社NKRC事業所です。

ナショナルシューズ常務取締役の権藤金吾のもとに、お前の息子を誘拐したとの電話が入る。

 

夫婦は狼狽したが、そこに息子が現れたので悪質な悪戯だと憤りを覚えたが、権藤の運転手の息子がいない。

 

再び電話が入り、間違えて一緒に遊んでいた運転手の息子を誘拐した旨の電話が来た。

 

犯人が告げた言葉は、『身代金は、あんたが払うんだよ、権藤さん』

 

権藤は金を持っていたが、その金は自社株を買い占め、会社を乗っ取るための資金であり、この計画が破綻すれば自らが会社を去らねばならない運命にあった。

 

権藤は身代金支払いを決意し、犯人が指示した通り厚さ7センチのカバン二つに現金を入れ、特急こだまに乗る。

 

刑事が車内を調べるが、子供連れの乗客はいない。

 

しばらくして車内に権藤へ犯人からの電話の呼び出しがアナウンスされる。

 

電話の内容を聞き、慌てる権藤に車両内に張り込みの中の刑事が声を掛ける。

 

『どうしましたっ?』

 

『酒匂川の鉄橋を過ぎたら、窓からカバンを落とせと言うんだっ!』

 

『特急の窓は開きませんよ!』

 

『洗面所の窓が7センチだけ開くと言うんだ!』

 

犯人が7センチのカバンに現金を入れるよう指定した理由がこの時理解できた・・・・。

 

これは、黒澤明監督『天国と地獄』のワンシーンである。

 

このシーン、実際のこだま号を1編成チャーターし実際に走らせ、NG厳禁の一発で撮影された。

 

酒匂川の鉄橋にさしかかるシーンで線路わきの民家の2階部分が邪魔だと言って、家主の許可を得て取り壊し、撮影後に復元された。

 

また、窓から投げ捨てられたカバンは『吉田カバン』の創業者が作った特注品で、撮影用に3個作られ、1個は撮影時に実際に燃やされ、1個は吉田カバンに返却され今もお店に飾られているが、1個は戻らなかったとのこと。

 

実はこのカバン、劇中で重要な役割を果たし、黒澤ファンには有名なシーンを『彩る』のだが、そこは内緒。

 

この映画白黒作品であるが、天国と地獄という対比が所々に表現されていて、カラーの作品よりずっと画面に引き込まれる。

 

さらに、権藤邸での権藤や刑事達の立ち振る舞いのシーンでは、誰一人スクリーンから切れることなく室内を移動しているが、このシーンは床に予めラインを引いておいて、俳優陣はその線の上を移動しながら演技したのだ。

 

これも黒澤演出の冴えである。

 

昭和38年公開のこの映画、令和7331日(月)午後1時より、NHK BSで放送される。

 

『天国と地獄』は日本サスペンス映画の金字塔であり、これを凌ぐ作品に個人的にはお目にかかった記憶はない。

 

何度も放送されているけれど、まだの人は是非この機会に。

 

 

 

さあ、お仕事始めましょうか。


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