三島由紀夫の魅力 『百万円煎餅』
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三島由紀夫の魅力
『百万円煎餅』
よく観光地のお土産屋さんに行くと、バカみたいに大きな『イカ焼きせんべい』とか、『一億円』などと焼き印が押されたお札を模したせんべいがある。
それを見かける度に思い出す小説がある。
三島由紀夫著 『百万円煎餅(ひゃくまんえんせんべい)』
ある若い一組の夫婦がいる。
この夫婦は堅実な生活を送っていて、常に倹約を心掛け、将来を見越して貯金をし、子供を持つのはある程度の基盤が成り立ってからだと決め、ほかの異性には目もくれずお互い愛し合って暮らしている。
そんな若い夫婦に仕事が舞い込み、『おばさん』と呼ばれる仕事の世話人との待ち合わせの或る商業施設で時間をつぶす。
そこで『百万円』と焼き印のされたせんべいを買い、2人仲良く遊具などに乗って少しの贅沢を楽しんだ後、『おばさん』と会い、仕事先へ赴く。
『その仕事』が終わった帰り道、夫は妻に向かって愚痴る。
『今日の客は裕福な家庭のマダム連中だったが、実に嫌な客だった。でもまあ5千円も貰ったことだし良しとするか・・・・』
少々愚痴ったくらいでは収まらないのか、貰った『5千円』を破り捨てたらどんなに気持ちが良いことだろうと更に愚痴り続ける。
そんな夫を見ていた妻が『だったら、これを破りなさいよ』と1枚残った『百万円煎餅』を手渡す。
手渡された夫は破こうとしたが、セロファンに包まれていて、どんなに力を入れても破ることができなかった・・・・。
と、まあこんな話。
何が面白いのか不思議に思われるだろうが、意味が解ると短編の名手、三島由紀夫の魅力を思い知らされる。
チョットだけ言うなら、お互いに誠実で、堅実な生活設計を基本に毎日暮らしているようだけど、キミ達がやっている事っていったい何なの?お金のためなら何でもやるの?プライドっていうものはないの?結局、お金に翻弄されているってことなんじゃあないの?って皮肉たっぷりの内容。
夫婦の仕事の内容とか詳しく書けないのが残念。
ある意味、当時の『日本人』を彼はこんなふうに見ていたんだなあ・・・・。
それにしても、何度読んでも『グッと』くるんです。
さあ、お仕事始めましょうか。
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