日日是好日 『もう半分』
北九州市若松区のエコタウン内にあるヒューマンブリッジ株式会社NKRC事業所です。
江戸は永代橋の脇に夫婦が営む小さな居酒屋があった。
さて、そろそろ店を閉めようかとしていたその矢先、一人のおじいさんがやって来た。
そして酒を注文するのだが、器に半分入れてくれという。
半分注がれた酒を旨そうに飲み干すと、もう半分と言っておかわりを注文する。
店主が理由を聞くと、その方が酒の風味が変わらず旨いのだと言う。
おかわりを何度か繰り返し、おじいさんは勘定を済ませ店を出た。
さて、閉店の支度をしようと店の片付け始めた時、さっきまでおじいさんの座っていた所に小さな風呂敷包みがある。
手に取るとずっしりと重く、中に財布があり50両入っていた。
店主が妻に相談すると、ネコババしろという。
そんな話の最中に、さっきのおじいさんが血相を変えて店に飛び込んできて、忘れ物をしたので帰してくれという。
すると妻は、そんなものは見ていない、知らないと言い張った。
実は、あの金は娘を吉原に売った金なのでどうしても返してほしいと訴えたが、妻は知らないと繰り返すばかり。
おじいさんは肩を落として店を出たが、店主は気になっておじいさんの後を追った。
おじいさんの姿を発見して声を掛けようとしたその瞬間、ふらりと川に身投げしてしまった。
事の経緯を妻に話すと、これでお金は私たちのものになったと喜んだ。
おじいさんの忘れた50両で店を増築し、人を雇い、店は繁盛した。
そんな時、夫婦に子供ができる。
しかし、生まれた赤ん坊の顔はあのおじいさんにそっくりで、妻はショックで寝込み死んでしまった。
残された店主は後ろめたさもあり、この子は立派に育てようと決意し、乳母を雇った。
だが雇った乳母は三日と続かず次々に辞めてしまう。
つい最近雇った乳母も同じことを言うので、その理由を聞くと、説明するより隣の部屋からこっそり見ていてほしいと言う。
夜になり、店主が隣の部屋から襖を少し開いて、寝ている乳母と赤ん坊を見ていると、赤ん坊がすっと立って行燈(あんどん)の所まで行き、油さしから湯呑に油を注ぎ飲み始めたではないか。
その姿を見た店主は急いで隣室から飛び出し、小さな背中を向ける赤ん坊に、『おのれ、じじい迷ったかっ!』と大声を浴びせると、くるりとこちらを向き湯呑を差し出して、
『もう半分』
これは落語の演目である。
夏になってこういうのもいいだろうと、ちょっと書いてみた。
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