日日是好日 谷崎潤一郎『途上』
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妻と死別後、新たに女性と同棲を始めたばかりの若いエリートサラリーマンの男が、帰宅の途上、私立探偵を名乗る男から声を掛けられる。
妻と別れたい若いサラリーマンは殺害を計画、幾つかの手段を試みるが上手くいかず、最終的には敢えて衛生状態の悪い地域に転居し、チフスに感染させ死に至らしめ、思いを遂げた過去があった。
私立探偵は綿密なリサーチにより一つ一つ事実を積み上げ、巧みな話術によって若いサラリーマンの犯罪を立証し追い込んでいく、そんな内容である。
書かれたのは大正時代、今から100年ほど前のものだ。
この頃、谷崎潤一郎はこれらの短編小説を幾つか発表していて、日本における犯罪小説の原点として評価が高い。
更に、作者である谷崎潤一郎の実生活を知ると『途上』という作品は怖さを増す。
若いサラリーマンは『谷崎』、別れたい妻は『千代子』、新しい女性は千代子の妹の『せい子』がモデルであると言われている。
さすがに殺害には及ばなかったが、谷崎は妻と別れたがっており、せい子に魅かれ同棲に至ったのは事実である。
さらに、知人で詩人の佐藤春夫が千代子の境遇に同情し思いを寄せ、谷崎潤一郎と三角関係となった。
後に千代子は谷崎と離婚し、佐藤と結婚する。
この後も、実生活におけるスキャンダルが増すたびに登場人物のモデルが生まれ、それらの作品はノーベル文学賞の候補にもなった。
事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったもので、登場人物のモデルを調べると彼のスキャンダラスな人生が垣間見える。
『途上』は集英社文庫『谷崎潤一郎 犯罪小説集』に収められている。
興味のある方は是非一度、ご一読ください。
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