つれづれなるままに~日々是好日 旅のみやげのみやげ話
北九州市若松区のエコタウン内にあるヒューマンブリッジ株式会社NKRC事業所です。
日本人のアイデンティティ
旅の醍醐味は、写真や絵葉書などで目にした名所が行ってみると実際に存在していて、そこを訪れた際にその同じ景色の中に自分自身が存在していることだと、何かに書いていた気がする。
そう言われて見ると確かにそうで、京都南禅寺脇の水路閣などTVの安っぽいサスペンスでよく見るけれども、実際その場所に立ってみると確かに嬉しくなってくるし、既にアルバムに収められている風景ではあるけれども、同じようなアングルで同じような写真を撮ってしまう。
また、僕の場合、過激なほどの甘党でもあるから、どうしてもお土産、特にお菓子は旅に欠かせない。
近年、京都のお土産として『あじゃり餅』なるお菓子が有名で、京都駅や隣接するデパートは勿論、四条河原町のデパ地下などでは常時長い行列ができていて、買い求める人が絶えない。
京都ではこの行列を『あじゃり餅』ならぬ『あじゃり待ち』と言うらしい、との不確かな情報もないわけではないが、とにかくスゴイ行列である。
そんなわけだから、『お土産で配るから、5個ずつ別々に小分けにして』などというリクエストは勿論不可能で、店員さんも個数に応じて小分け用の紙袋をまとめて入れてくれるようだ。
せっかく京都にまで来て、配るお土産のために長い時間を浪費することはないんじゃあないの、とまあ思うわけだが、これが日本人の気質と言うものなのだろう。
以前、パリに行った事があって、お土産の必要があったので、オペラ座近くのフォションに寄って、蜂蜜を買い求めたことがある。
その蜂蜜はオペラ座の屋上で養蜂された蜂が市内中から集めて来た物らしく、小さな小瓶に入っていて、確か800円ぐらいだったと思う。
そんな小瓶を7、8個抱えるようにレジ・カウンターに持って行くと、藁のような色の金髪でスカイブルーのジャケットに格子柄のシャツ、紅いネクタイをした店員が対応してきた。
人懐っこそうなブルーの瞳をこちらに向け、少し赤い鼻先の彼は僕に問いかけた。
『ベェトゥ、ベェトゥー?』
最初意味が解らなかったが、カウンターの引き出しから小さくてカラフルな袋を蜂蜜の小瓶と同じ数だけ並べ始めてやっと意味が解った。
ああ、『べつべつ』ね。『別々に包みましょうか?』ってことだよね。
『ウィ べつべつ シル ヴ プレ』と答えてみたら、わが意を得たりとばかりにフランス人はニコニコして包み始めた。
きっと日本人観光客はお土産を配るために『別々』と言いながら包装のリクエストをするんだろうなあ、などと考えていた。
でも、どうしてひと目見て僕を日本人だと判ったんだろうか?アジアにはいろんな国がいっぱいあるのに。香港の映画スターかも知れないじゃないか。
そもそも、せっかく遊びに来ているのに帰宅後のお土産のことを心配するのは日本人くらいで、たいして美味しくもない高い蜂蜜をいくつも買っていくのは日本人だけだよ、って言うことだろう。
遠いフランスで日本人としてのアイデンティティを気付かされたってワケなのだろうね。
そんなことを『あじゃり待ち』をしながら、ふと、思い出した。
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