つれづれなるままに~日々是好日 ちょっぴり文学好き 『グッとくる、太宰 治』
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つれづれなるままに~日々是好日
ちょっぴり文学好き
『グッとくる、太宰 治』
前にも書いたけれど、『三島由紀夫』が好きなのです。
と、いうより文章が好きだと言ったほうが正しいか。
あれくらい自信を持った文章を書いてみたいと常々思っているのですが、なかなか難しい。
ま、差し詰め古典の部類に入るのだろうが、何度読んでも文体の切り口がとても鋭利で、どこかお洒落でもある。
書いている本人に聞いたわけではないけれど、
『文章とはこういうふうに書くのだ』
『難解な語句も平気で使うのだ』
みたいなものが、読んでいるとヒシヒシと伝わってくるから実に楽しい。文章に遠慮というものがありません。
以前、知人の国語の先生に聞いたのですが、彼が喋っている内容をそのまま紙に起こすとすっかり文章として完成しているらしい。
ということは、頭の中に飛び交っている様々な熟語や文体を一瞬で整理して発言、というか読んでいるということだろう。
すなわち、頭のてっぺんで考えて、口先まで下りてくるこの僅かな長さが『人間の思考の距離』ということか。
そんな三島由紀夫は太宰治が大嫌いだったという。
理由は、『女々しい』から。
僕の太宰への魅力は、読んでいるうちに『この人だけはボクの気持ちを解ってくれている』みたいな気持ちになるところで、妙な親近感が湧いてくるのです。
それに、愛人と入水自殺した日付と僕の誕生日の日付が一緒というところも妙な親しみを感じるのです。
特に『ヴィヨンの妻』が好きで、ネタバレになるから詳しく書かないけれど、ラストは、
『私たちは、生きてさえいればいいのよ』で、終わるのです。
このラスト一文を読みたいがために読んでいるのです。
この一文、三島の『金閣寺』のラストにそっくりです。
ちなみに金閣寺のラストは『生きようと思った』なのです。
どちらの主人公も完全に開き直っています。
このラスト、太宰の女性主人公は逞しく、三島の男性主人公のほうが逆に女々しいワケです。
三島さんはひょっとしたら僕同様、太宰のファンで愛読していたのかもしれません。そしてふと、『この人だけはボクの気持ちを解ってくれている』と思った時、内心を見透かされてしまった嫌悪感やある意味、恐怖感を味わったのではないでしょうか。
実際、三島さんは21歳の時、太宰と会っていて、その際本人に向かって『あなたが嫌いです』とハッキリ伝えています。
しかし、太宰は、
『嫌い嫌いと言っているけど、好きだからやって来たんだよなあ』と答えたようです。
恐るべし、太宰治。
その後、三島由紀夫は太宰に二度と会うことはありませんでした。
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