つれづれなるままに~日々是好日 歴史好きの独り言 好き好き長崎
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好き好き長崎
『風光明媚の影に』
JR浦上駅前あたりから東側の山並みを眺め、あれ、どこかで見た風景だなあと言ったそうである。
言い出したのは島原の乱の際、長崎に立ち寄った松平伊豆守信綱(まつだいら いずのかみ のぶつな)という人で、浦上街道を長崎に向かう途中、ふと目をやると『ここは坂本に似ている』と思ったらしい。
その坂本とは現在の滋賀県大津市坂本のことで、比叡山の門前町で登山口でもあり、そこから見える比叡の山並みが何となく似ているらしい。
だったら、いっそのことこの辺を『坂本』という地名にしたらどうだということになり、現在の長崎市坂本町の由来である。
坂本町は原爆爆心地に近く、国際墓地内を歩いていても爆風で倒壊し、補修された墓石がいくつもある。
そんな墓地の一角に、有名な『トーマス・グラバー』の墓石が息子の『倉場富三郎』と並んで立っている。
トーマス・グラバーといえば、『死の商人』だったり、大浦海岸通りで初めて蒸気機関車を走らせたり、高島炭鉱を開発したりと幕末から維新にかけての『ちょっとした有名人』である。
有名であるが故に『フリーメイソンだった』とか『坂本龍馬を操っていた』とか『維新の影の黒幕だった』とかいろんな説がある。
まあ、どれもこれも『マユツバ』の域を出ないものであるが、外国人故に勝手な憶測を創作し易いといったところだろう。
『影の黒幕』が設立した会社が『グラバー商会』なのだが、この会社は破産して、破産後は岩崎弥太郎の三菱で働いている。
ちょっとカッコ悪い黒幕なのだけれど、更なる悲劇が息子の富三郎に訪れる。
日英ハーフの彼は長崎の実業界で活躍する。
しかし、戦争が始まるとハーフ故に『スパイ』の嫌疑をかけられ、また住居だった『グラバー邸』から戦艦『武蔵』建造中の長崎三菱造船所のドッグが望めるため立ち退きを命じられ、終戦まで官憲の監視下に置かれていた。
その彼が終戦直後、自殺する。
明確な理由は不明だが、スパイの嫌疑を晴らそうと積極的に戦争に協力したために、逆に『戦争犯罪人』として連合軍から裁かれるのではないかと不安だったとの説もある。
長崎へ行くと必ず『グラバー園』を散歩し、ベンチに腰を下ろして造船所を眺めるのだけれど、風光明媚の影にこんな悲劇があったかと思うと、少し感傷的になる。
また、墓石には『キリンの缶ビール』が供えられている。
これは、トーマス・グラバーが興した『ジャパン・ブルワリー・カンパニー』が『キリンビール』の前身だからで、キリンビールの関係者が供えているとのこと。
トーマス・グラバーが麒麟をマークに選んだ理由は、麒麟は頭が『龍』で胴が『馬』であることから、『坂本龍馬』を偲んでのことらしい、な~んて話を聞いたことがあるが、恐らくこれは仕事熱心で歴史好きなキリンビールの社員が考えた話で、この話が出るたびに何処かでほくそ笑んでいるに違いない。
どこにでも『黒幕』はいるものだ。
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