つれづれなるままに~日々是好日 歴史好きの独り言 第67回 中津も好き好き②

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歴史好きの独り言

第67回 中津も好き好き②

豊臣秀吉から豊前の国をもらったまではよかったが、黒田官兵衛には頭痛のタネがひとつありました。

現在の築城の辺りに宇都宮鎮房という以前の領主が居座ったままだったからです。

この宇都宮鎮房という人、秀吉から伊予へ国替えを命じられたんだけど、元々、協力してくれたらずっと豊前に居てもいいんだよって約束だったので、約束が違うじゃあないのってことで頭に来ていたし、新たにやってきた黒田家にも怒り心頭だったのです。

そんなわけで、さあ合戦かっていうところまでいったんだけど、そこは黒田官兵衛、得意の話し合いでカタを付けようってことになり、話し合いの結果、長男の朝房は中津城で人質に、娘は官兵衛の息子、黒田長政と結婚するということでこの件はひとまず落ち着いた。

いろんなことがあったけど、もう親戚同士じゃないの、うまくやっていこうよねってことです。 

人質といっても家臣待遇だし、官兵衛と一緒に合戦に出かけたりしていて、まあ、よかったんじゃあないのと思われた矢先、事件が起きる。

中津城でお留守番をしていた黒田長政が宇都宮鎮房を呼び出し、嫁いできた娘共々惨殺した。

この知らせを聞いた官兵衛は一緒に戦に出掛けていた宇都宮鎮房の息子、宇都宮朝房を殺してしまう。

真相は闇の中なんだけど、知略を用いて事に当たる官兵衛らしくない『黒歴史』である。

この事件にはまだオマケがあって、宇都宮鎮房のお供で20人ほどの家臣達が同伴していたが、一緒に中津城内に入れてもらえず、中津城下の『合元寺』で待機させられた。

鎮房を殺害した後、黒田家家臣が合元寺にいた鎮房の家臣全員を斬った。

その時、飛び散った血しぶきはいくら拭き取っても消えず、壁を何度塗り替えても血が浮き出るので、とうとう壁を全て赤く塗ったという伝説が残っている。

なんとも怖い話だけれど、歴史のある古い城下町にはこんな話がひとつやふたつ残っているから歴史好きにはたまらないものがあるのです。

まあ、お盆も近いことだし、たまには怪談もいいでしょう。 

さらに中津には歴史好きにはたまらない和菓子屋さんがあって、黒田官兵衛のある有名な家臣の末裔が営んでおられます。

屋号はその家臣の苗字そのままなのでご存知の方も多いと思います。名物は『ういろう饅頭』です。 

まあ、できることならいろいろ質問してみたいと思っていますが、ちょっと勇気がありません。お仕事のジャマになっても悪いしね。

さあ、お仕事始めましょうか。


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