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『どうする家康』が終わった。

史上２番目の低視聴率だったそうである。

タイトルといい、家康演じる俳優といい迫力とか歴史が持つ『重み』みたいなものは感じられなかったので、歴史好きには受け入れられなかったんじゃあないかな。

そもそも大河ドラマというもの、どれくらいの人が登場人物とか歴史的背景とか解って観ているのだろうと、思うことがある。

ドラマの最中、僕などほぼ『解説』している。

あれは誰だとか、あのセリフの意味はこうだとか。

そんなワケだから『ファンだから観ているの』的な人が多いので、歴史好きには物足らない。

そんな中、松山ケンイチさんが演じた『本多正信（ほんだ　まさのぶ）はいい味を出していいて、僕の抱くイメージと重なっていた。

ちなみに『真田丸』では、近藤正臣さんが演じておられて『飄々としたところ』は共通していた。

この辺は低視聴率を支えてくれた人向けに書くが、本多正信という人、家康の家臣であったが裏切って一向一揆に加担したことは事実だが、家康を鉄砲で撃ち『伊賀越え』の際、家康を救ったという事実はない。

また、どうやって再仕官できたのかも不明なのだが、軍師、つまり軍事上の作戦や軍略を考える仕事に就いた。

こんなエピソードがある。

関ヶ原合戦の際、徳川秀忠率いる徳川本隊が真田昌幸の籠る上田城を攻めたが、同行した正信は攻撃に反対し、とにかく関ヶ原へ急ぐことを勧めたが聞き入れられず、結局、本隊は合戦には間に合わなかった。

また関ヶ原の後、石田三成の嫡男である石田重家を恨みが残るので本来なら殺すところ正信は反対し、その理由を家康が尋ねた。

『彼の父親が無駄な戦いを起こしてくれたおかげで豊臣勢を一掃し、徳川家が天下統一することが出来ましたから』と答え、家康も納得した。

晩年、息子の『本多正純（ほんだ　まさずみ）』にこうも言った。

『私の功績によって、お前は増地されるだろうが３万石以上は受け取るな、私の残す２万石と合わせ５万石以上の領地を持つな。何故なら、私の後ろ盾があるうちはいいが、ほとんど功績の無いお前はいつかきっと妬まれ、恨みを買うぞ』

どこの時代や職場にも『妬み』『僻み』『嫉み』はあるものだ。

正純は正信の死後、加増について固辞し続けたが、宇都宮１５万石を拝領した。

そこまでは良かったのだが、居城である宇都宮城の無断修理や鉄砲の密造といった嫌疑をかけられ、二代将軍徳川秀忠の代に失脚した。

家康が存命だった頃は、幕府のスーパーエリートだったのだが、正信の言った通りになった。

本多正信の名軍師ぶりが死後に証明されたわけだが、何とも皮肉な話である。

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