つれづれなるままに~日々是好日 歴史好きの独り言⑳
北九州市若松区のエコタウン内にあるヒューマンブリッジ株式会社NKRC事業所です。
歴史好きの独り言⑳です★
大津事件 ニコライ2世の受難①
明治24年(1891)と言いますから、今から127年ほど前のお話です。
ロシアのニコライ2世がギリシャのゲオルギス王子とシベリア鉄道の起工式に参列のためウラジオストクに寄港の前に日本を親善訪問しました。
この頃、ロシア極東艦隊は冬になるとウラジオストク港が凍り使用が不便なので、艦隊の一部は長崎港でも越冬していました。
ですから当時の稲佐地区にはロシア海軍の保養地があって、『ボルガ』というレストランや『ヴェスナ』(春という意味)というホテルなんかがありました。
このヴェスナを経営していたのが、『稲佐のお栄さん』こと道永 栄という女性で、色白で容姿も端麗であったことからロシア海軍で有名になり、その後社交界にも広まって、ニコライさんもひと目会いたいと胸を弾ませてやって来たのです。
鼻の下を伸ばしたニコライさんは観光気分でやって来たのでしょうが、当時の日本はロシアが怖くて仕方がなくて、偵察に来たとか、シベリア鉄道を極東まで伸ばすってことは日本に侵攻するってことだろみたいな、いわゆる『恐露病』に罹っていて、内心気が気ではなかったわけです。
訪日の知らせとともにこんなウワサも立ちました。
明治10年の西南の役の際、城山で戦死したはずの西郷隆盛や桐野利秋が実は密かにロシアへと渡りロシア兵を教練していて、ニコライご一行様と一緒に戻るというものです。
西郷さんなら何とかしてくれるだろうと、無いものねだりの夢物語にすら希望を見出したいほど怯えていたってことなんでしょうね。
そんな気持ちを知ってか知らずか、ニコライさんの方は人力車に大ハシャギでした。
京都に到着したニコライご一行様は、琵琶湖見物のため大津へ日帰りの観光へ。そこで、日本を揺るがす大事件が起きるわけです。
5月11日、滋賀県庁で昼食の後、市内を通過中にあろう事か警護していた滋賀県警の巡査、津田三蔵にサーベルで斬りつけられ負傷してしまいます。
津田巡査はすぐに取り押さえられ、ニコライさんは通りに面した呉服店の軒先で手当てを受けました。
でも、なんで?なんで、おまわりさんが斬りつけるんだ?
理由のひとつは、やっぱり『恐露病』。いわゆる強迫観念。
もうひとつの理由は、この津田巡査、以前西南の役に出征し勲章を貰ったとかで、もし、西郷さんや桐野さんが帰国すると、せっかくの勲章を剥奪されてしまうから、なんてことを取り調べの際に自白したとも言われています。
ま、理由はなんにしろ国家の安泰を揺るがす大事件には間違いありませんよねえ。
『犯人を死刑にしろ』
『こりゃあ、戦争になる。天皇陛下が直々にお詫びしなきゃあ』
『どっかの島のひとつも差し上げろ』
なーんて世論が沸騰する中、さて日本がとった対応や如何に。
すわ、戦争か。そうなったら負けちゃって植民地になっちゃうかも。
賠償金くらいで済んだらいいんだけど・・・・。
私の命と引き換えにお詫びしますと、京都府庁の門前で自殺する女性も出る始末。
どうなる、日本。
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